第十一回・デヴィッドボウイ〜聴けばモテる!ポピュラーミュージック通信〜

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全十回のつもりで書き始めた本コラムですが、取り上げたいアーティストがあまりに多く、一回オーバーしてしまいました。でも今回がラストとなります。

日本のメディアも大きく取り上げた通り、2016年1月10日にデヴィッドボウイが亡くなりました。69歳の誕生日を迎え、最新アルバムをリリースした二日後でした。私が彼についてコラムを書いたのは1月8日、つまり誕生日当日でした。執筆中は彼の音楽を聴き続け、彼について色々と調べものをする中で、改めてデヴィッドボウイという人間の偉大さを認識しました。その矢先のことでした。

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世界中のファンが寄せた追悼の言葉を読み、私は驚きました。私と同じ体験をした人が、あまりにも大勢いたからです。皆、ボウイが亡くなる数日前から、何故か彼のことを考えていました。昔のレコードを引っ張り出して聴いていた。YouTubeでライブ動画を見ていた。過去のインタビューを読んでいた。引き寄せられるように、彼に関するものを手に取っていました。彼がお別れを伝えてくれていたのか?何とも不思議です。

Changes

ボウイは生涯にわたり変化し続けました。一箇所に落ち着くことなく、その時々の自分にとって、最高の姿を追求しました。しかも独りよがりではなく、時代を掴み、ヒット曲を量産しました。「デヴィッドボウイがいなかったら、今の自分はいない」彼の死後、多くの人がそう言っています。

誰もがボウイにまつわる思い出を持っているようです。「子供の頃、Starmanを聴いて涙を流した」「ディスコに行きLet’s Danceで踊り狂った」「Heroesと共に闘病生活を乗り越えた」こうしたエピソードがファンに限らないのは、彼が常にヒットチャートの最前線にいたことの現れです。

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人々の愛や想い、ときには人生そのものを背負う。スターの宿命です。彼らのために、いつまでも華麗でいること。並大抵のプレッシャーではないです。実際に多くのアーティストはやがて人々を落胆させます。しかしボウイはそこから逃げず、ヒーローであり続けました。最初から最後まで、イケメンで、知的で、ユーモアラスで、お洒落で、スタイリッシュでした。まるで影武者が何人もいるようです。

We can be heroes

病を抱えていることも、ほとんど誰も知りませんでした。結果的に最後となったアルバムは、生涯で最も異質な作品です。長年を共にした同年代ミュージシャンではなく、若手ばかりを集め、難解なジャズを録音しました。しかも既に次回作の構想が存在し、レコーディングに取り掛かろうとしていました。ボウイの場合、死そのものではなく、今後の作品を体験できないことが惜しまれます。あの人なら必ず面白いことをやってくれる。そう思わせてくれるアーティストはなかなかいません。

変化を恐れない。挑戦を止めない。そしてカッコよくあり続ける。その人生を通して、ボウイが教えてくれたことです。彼のように、長く、曲がりくねった、華麗な一生を送ることができれば、私たちもヒーローになれるかもしれません。

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