「パンク・ロック/ハードコア史」行川 和彦

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今回はパンク・ロックの歴史に真っ向から対峙した日本で一番詳しい本をご紹介。

「パンク・ロック/ハードコア史」行川 和彦

著者は数々のライナーノーツやディスクガイドを手がけているライターの行川和彦さん。

廃刊してしまったパンク雑誌「Doll」からのインタビューに加筆・修正を加えたもので、アメリカ、イギリスを中心にものすごい数のバンドとアルバムが時代、思想、地域に分かれて出てきます。

日本のバンドはハードコア中心で、86年まで渋谷のセンター街にあった渋谷屋根裏のことなんかが描写されていて、当時の閉鎖的でヤバそうな空気が伝わってきます。

面白かったのが「思想と文化」の章。パンクロックのベースは商業音楽ではないので社会、政治、生き方等と密接な関係性を持っています。

ストレート・エッジという生き方

マイナー・スレットというDCハードコアバンドのイアン・マッケイが書いた「ストレート・エッジ」という曲から生まれた言葉。

音楽のジャンルではなく、ヴィーガンやベジタリアンに通じる一種のライフスタイルを表しています。

三ヶ条は禁酒、禁煙、禁セックス。『昔ながらのロックでいう”Sex, Drug and Rock’n’Roll”への反抗みたいなもの』と本書では記されています。

表立って出てくることは無いもののレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンの Vo.ザック・デ・ラ・ロッチャや初期のビースティ・ボーイズなどメジャーシーンにも浸透。

変わりダネとしてはアメリカンプロレスWWEのレスラーであるCMパンクも「禁欲主義」キャラ。手の甲の×はストレート・エッジのシンボル。

パンク・ロックとフェミニズムの関係性にも言及

パティ・スミスは性別を意識することをやめ、シャツにネクタイをし、アルバム『Easter』では脇毛まで出しました。

LAロックバンドのランナウェイズのギターボーカル、ジョーン・ジェットは性なんて関係ないと思わせる楽曲の良さを持っています。

「ラヴ&ピース」ではなく「アナーキー&ピース」を掲げたロンドンのCRASSは男性5人に女性3人の革新的なアナーコパンクバンドでしたが、アルバム『Penis Envy』ではほぼ全曲のボーカルを女性が担当しています。

合間にはレコードのジャケット一覧があえて解説無しで載っています。Youtubeで辿りながら読むと新たな発見ができそう!

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