第二回・the Smiths〜聴けばモテる!ポピュラーミュージック通信〜

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私は冬が嫌いです。昼間でも寒くて、夕方はすぐに暗くなる。暖かくなってきたと思えば、鼻水が出て目が痒くなる。気が滅入ります。

そんなときにオススメしたいバンド、the Smithsを紹介します。イギリスのマンチェスターから現れ、4枚のアルバムを残し、伝説になったバンドです。80年代のことです。

サッチャー政権により、何でも民営化。市場競争の結果、失業者は急増。酒とドラッグに溺れる無職の若者たち。マンチェスターでも、暮らしと治安は悪化する一方でした。

We’re Here and It’s Now

そこでthe Smithsの登場です。スミス家。英国で最も多い苗字です。名前の通り、ルックスは平凡そのもの。そんな彼らの代表曲がこれです。

「決して自分の居場所を知ることなく、思い上がる食料品倉庫係の少年 / 指輪を返せと彼は言った / 彼はこういうことをよく知っている / 彼はこういうことをよく知っている」

変です。しかし文学的です。よく分からないけど共感できる。ユーモラスで悲しい歌詞は、心に鬱屈を抱える人々の心を掴みました。世間が暗い時に暗い歌が支持される点、とてもイギリス的ですね。

演奏も聴き応えがあります。ギタリストのジョニーマーは「ギターの魔術師」と評されます。メロディアスなアルペジオを中心に、細かいフレーズを何本もダビング。おもちゃ箱のように、色々な音が飛び出します。

ユーモラスでカラフルな楽曲は、ヒットするべくしてヒットしました。しかしボーカリスト、モリッシーの屈折したカリスマ性のおかげで、売れ線という批判はありませんでした。

the Sun Shines Out of Our Behinds

虐められ、誰からも受け入れてもらえず、本、映画、音楽に逃避した青春時代。母親としか会話せず、精神役を投与され、何とか正気を保つ日々。「自分の人生は終焉を迎えていた。」後に彼は言います。

花束を振り回し、髪を逆立て、クネクネ動き回る。初めて許された自己の解放であり表現でした。彼が歌う間、観客は絶え間なくステージに乗り上げ、一瞬だけでも触れようとします。彼らにとってモリッシーは、自分を理解し、受け止め、救ってくれる存在なのです。

傷ついた人間の、再生へと向かう物語。それがthe Smiths。それをシリアスにせず、ユーモラスにやるところが、カッコいいと思うのです。

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